会津郷からむし織

会津郷からむし織

日本唯一の産地から生まれる貴重な織物

 「からむし織」とはイラクサ科の植物で別名苧麻(ちょま)、または青苧(あおそ)と呼ばれてる植物の茎から採取される繊維〈からむし〉を糸にして織られる織物をいいます。からむしの繊維は通気性や吸水性に優れ、高温多湿な日本の風土にあった繊維として、最近では他の化学繊維と一緒に編んだ生地でワイシャツや洋服などが生産されるようになりました。しかし、からむしの栽培から刈り取り、糸づくり、織りに至るまでの作業を人力で行うため、全国の多くの地域で伝承が途絶え、今では昭和村のからむし栽培が日本で唯一残されています。

 

AIZUGO KARAMUSIORI

工房紹介

 

  • (株)奥会津昭和村振興公社
    TEL 0241-57-2204
    〒968-0103
    大沼郡昭和村下中津川字中島611

会津郷からむし織の歴史

写真 からむしの歴史は古く、応永年間(1390年代〜)にはすでに昭和村のからむしが越後上布の原料として珍重されていたという記録が残されています。明治の最盛期には栽培面積が20haを越え、山村の重要な換金作物として地域経済に貢献してきました。
 昭和村では平成6年から、からむし織の保存のために、1年間村で暮らしながら、からむし織の作業工程を学ぶ『織姫制度』を取り入れています。毎年4人程度の採用に、全国から多くの応募があります。

職人の技を知る

写真 「からむし織は1年を通じて造り出される織物。だから貴重なんです」と話すのは、『織姫制度』の10期生で、昭和村からむし生産技術保存協会の舟木由貴子さん。
 からむし織の材料は、昭和村の遅い春が来る頃(小満)に行われる焼き畑から始まり、2m近くまで成長した7月中旬からお盆前までに刈り取りをします。刈り取りをしたその日のうちに「苧引き」と呼ばれる皮を剥ぐ作業を行い、乾燥させます。この苧引きが原料となる糸の善し悪しにつながると言います。乾燥させた原麻を糸にするために、繊維を裂き、紡ぎ、縒りをかけて一本の糸に 仕上げていきます。
 糸作りから織りの仕事は、畑仕事がない冬の時期に行われ、どの家にも織機があり、女性が囲炉裏端で機を織る姿は近年まで当たり前の風景でした。
 舟木さんは、「からむし織には、現代が失いつつある古き良き伝統が残っています。原料となるからむしの栽培から、糸を紡ぎ、織り上げるところまで全て手作業です。原始的ですが、昔の良さを感じることができます」と、すっかりからむし織に魅せられています。
 からむし織は貴重な織物と言うだけではなく、忘れてはいけない伝統を残しています。