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福島大学陸上競技部 チーム川本 監督インタビュー

 「合宿の里ふくしま」のホームページでは、福島県に縁の深いスポーツ選手や文化人の方々から、福島県について様々なインタビューを行っていきます。記念すべき1回目のインタビューのお相手は、福島大学人間発達文化学類教授であり、福島大学トラッククラブ監督でもある川本和久さんです。
 かつては、全国的に「ノーマーク」だった地方の国立大学が、川本監督就任以来、現在まで「日本一の強豪チーム」とまで呼ばれるくらい、実績を積み上げてきました。26歳の時に見ず知らずの土地“福島”へ来て約25年、今では“福島”を発信する側として、様々なところで活躍しています。今回は、そんな圧倒されるほどエネルギー溢れる川本監督からお話を伺いました。

 

Q:最初に、監督が合宿地を選ぶポイントを教えてください。

川本監督

 合宿に行く時に選ぶポイントは、30分圏内に代替施設があるかどうかです。施設に行事が入っていたら終わりです。宿泊施設が代替施設を確保してくれて、しっかりと送迎してくれれば良いと思います。私の行きつけの合宿先は、しっかり食事のデータも取ってくれます。このような、きめ細やかな対応をしてくれる環境が必要だと考えています。

Q:川本監督が、福島県で気に入っているところを教えてください。

 「福島」って名前がいい。だって「Happy Island(ハッピーアイランド)」、“福の島”ですから。私は、結構験を担ぐ方ですから、これ以上いい名前はないです。磐梯山だって「宝の山」と呼ばれていますし。逆に、悪いことはあまり気になりません。たとえ、泊まる旅館の名前に「地獄」なんて付いていよう気にしません。(笑)
 それと、田舎なのがいい。東京からこんなに近いのに、智恵子抄じゃないけど、「ほんとの空」が待っているところは他にはないと思います。濃い緑、紅葉の色、空気の美味しさなどを感じるたびに、本当に住んで良かったと思っています。
 そして、こんなに広い空間がある。スポーツをするには、抜群の環境ですね。

Q:福島県でお勧めの食べ物はありますか。

福島大学の練習風景

 福島県は四季を通じてフルーツを食べられるのがうれしいです。スポーツ選手にとって食後に果物などの抗酸化食品が出てくるのは最高です。福島県には、いわゆる抜きんでているものはあまりないのですが、No.2のものがたくさんあります。それは言い換えれば、どの季節であっても、安定して供給できるということです。
 一度、陸上の朝原宣治選手をイベントへ招待しようとしたときに、あまりギャラを払うことはできないけれど、その代わり、毎月おいしい果物を送ると交渉したところ、すごく喜んでくれたことがあります。結局、日程の都合で来れませんでしたが、そのくらい福島の果物は自信を持って勧めることができます。

Q:「ももりんダッシュNO1」や「わくわくジュニアカレッジ」など、様々なスポーツイベントを実施されておりますが。

小学生への陸上教室

 国から陸上競技を研究してよいと言われ、時間とお金をもらっているのは、福島県内で私だけです。これはものすごく責任が重いと考えています。そういう意味で、成果を出すことや地元へ貢献することは、自分の使命だと思っています。
 その中で、2つ仕事があり、1つ目はトップを育てることです。福島のことを何も知らない兄ちゃん(川本監督自身)が、地域の皆さんの応援をもらって、選手たちが成果を出すようなり、陸上競技やその選手たちを使って何ができるかはないかと考えたときに、地域に向かって発信して、県民へのスポーツへの関心を高め、陸上競技の魅力を感じてもらいファンを作らなければと考えました。やっとそれができるようになってきたので、実践しているだけです。それは特別なことではなくて、給料のうちだと考えています。ただし、それは一人ではできないので、今までかかって作り上げてきた交友関係など、地域のみなさんの協力があってこそ。街の活性化に一役買えたらうれしいですね。

 もう1つの仕事は、すそ野を広げることです。福島大学には、教育学部があり、教え子達が先生になることが少なくありません。その自分の教え子たちが、県内各地で先生として、子供たちに陸上の面白さなどを伝える。そうすれば陸上の輪がどんどん広がります。たんぽぽの綿毛のように行った先で、花を咲かせる“川本たんぽぽ作戦”で福島県のスポーツの振興、ひいては、陸上の発展に繋がればよいと思っています。

Q:最後に、福島県で合宿を考えている方に一言メッセージをお願いします。

 福島は、私にとって、まさに“福の島”です。自分にとって縁もゆかりもない、友達も知り合いもいない土地で、一から始めたけれど、今では周りに理解してくれる人がいて、たくさん応援してくれる人達がいます。皆さんも、福島に来れば、幸せや非日常的な空間が待っています。それに、トレーニングにも適しているし、沢山の温泉もあります。福島で合宿しない手はありません!!

 

 インタビュー後の雑談の中で、「福島のフルーツは本当においしいのに、なんでこんな露出が少ないの?福島県民はつらの皮が薄いというか、口下手というか、それでいい時もあるけど、こういうのはもっとずうずうしいくらいPRしないと!もっと売れていいんだから、がんばってくれ!!」と最後に熱いエールまでもらいました。

川本和久(かわもと かずひさ)プロフィール

1957年佐賀県生まれ。筑波大学卒業、同大学院修了(コーチ学専攻)。小学校講師などをへて、84年、福島大学教育学部に助手として勤務し、陸上競技部監督に就任。
カナダ、米国に留学中、カール・ルイスのコーチ、トム・テレツに指導法を学ぶ。
独自の新走法「ポン・ピュン・ラン」で、女子100メートル前日本記録保持者二瓶秀子や女子走り幅跳びの井村久美子、女子400メートルの千葉麻美ら、現日本記録保持者らを輩出。自身も数多くのメディアで紹介されている。