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2019.03.26(火) 09:38 取材記事(教育旅行)さいたま市立大宮北高等学校1年生が来県。浪江町とJヴィレッジで震災と原子力災害について学びました

語り部による震災講話

津波の被害を肌で感じる生徒たち

慰霊碑を前に当時の様子を想像する生徒

Jヴィレッジにて復興の歩みを学ぶ

[日程]
平成31年2月14日から2月15日

[学校名・学年・人数]
さいたま市立大宮北高等学校 1年 18名

[来県市町村]
浪江町・楢葉町・広野町

[本県を訪れた目的]
当校はスーパーサイエンスハイスクール(SSH)の指定校となっており、理数科とともに普通科においても全校あげて、より高度で幅広い教育を目指し実践を行う中、今回は東日本大震災の被災地である福島県の現状を自身の目で確かめ、震災と復興に対する適切な情報を吸収し、防災や復興だけではなく、未来に対する自分自身の関わり方を創造するきっかけを作ることを目的に福島フィールドワークを行った。

[取材内容]取材日:平成31年2月14日
 一昨年、避難解除された浪江町の視察と震災・原子力災害について学びました。「まちづくりなみえ」の菅野孝明さんのガイドにより、浪江町の被害状況と復興・復旧の進捗の説明を聞き、地域の産業の再開や住民・交流人口の増加を目指した施策など、浪江町の現状を学びました。
 続いて、バスに乗り込み、浪江町内のフィールドワークへ。請戸漁港では、建設された防潮堤の大きさに津波の脅威を体感しました。原発事故により犠牲者の捜索活動が途中で中止された事実にはショックを受けていた生徒も多くいましたが、一方では、漁業や魚市場の再開の話を聞き、一歩一歩着実に前進する浪江町の希望を感じることができました。
 津波により一人の犠牲者も出さなかった奇跡の浪江町立請戸小学校、続いて請戸地区の犠牲者の慰霊碑が建てられている大平山霊園をめぐり、震災時に避難する人々がどんな気持ちであったか、また今日までどのような思いで過ごしてきたかを考え、生徒たちは、地震と津波、そして原発事故の被害の実態を現地で感じることができました。
 最後に宿泊先のJヴィレッジに移動し、職員の方からこれまでの復興の歩みを聞きました。当施設は、日本屈指のサッカーのナショナルトレーニングセンターでありながら、震災後は一時、原発事故の作業員や廃炉作業の拠点となった施設です。
 スポーツの力で復興を応援したいというメッセージが語られ、全天候型スタジアムの建設や天然芝のピッチの整備など、復興のシンボルJヴィレッジの意欲的な活動が紹介されました。震災と原発事故がもたらした光景から、福島のありのままの姿を体感した1日となりました。

[生徒のコメント①]
「震災後の復興に対する取り組む姿勢が前向きなことに一番驚きを感じた。菅野さんのネガティブな意識ではなく、先を見た考え方に感銘を受け、これからの生活で自分も同様の考え方をしたいと思った。これからぶつかるであろう壁に向かい合った時に、前向きに立ち向かえるようになりたい。」
(1年生 稗田 直道さん)

[生徒のコメント②]
「メディアや知人からの情報しか知らず、正しく認識できていた部分と間違っていた部分があった。震災後の復興が進んでいる点、進んでいない点を自分の目で見て確認することができた。現地の人の復興に対する前向きさが、今後の日本の災害に対する意識につながるように感じた。特に皆で協力することの大切さや、一瞬の判断がとても重要であり、災害に対する意識や知識を蓄積し今後の生活に活かせるようにしていきたい。」
(1年生 平野 彩佳さん)

[先生のコメント]
「福島県の現状を自身の目で見て知ること、そしてその先に生徒それぞれが何を感じ、何を見出すか。生徒それぞれの個性を活かしつつ、様々な形の復興に対する考え方を創出してほしい。実際に目で見て、聞くことは感受性豊かな年頃の生徒にとってとても重要なことだと実感できた。今後も震災に関わる学習を継続的に行いたい。」
(田村 守行先生)

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