1. HOME
  2. お知らせ
  3. 戊辰戦争と白河ハリストス正教会・沢辺琢磨
お知らせ

戊辰戦争と白河ハリストス正教会・沢辺琢磨

当館の窓から見える玉ねぎ型の屋根。
 こちらは、当館の裏手にある白河ハリストス正教会の屋根です!

 さて、この白河ハリストス正教会は、大正4年(1915)に建てられた正八角形のドームと白い壁が特徴のビザンチン様式の教会で、建物と教会内にあるイコン(聖像画)が福島県の重要文化財に指定されていることで有名です。
「関連史跡情報」と題をうっているので、この教会と戊辰戦争に関係があるのですが、みなさんおわかりになりますか?

 そう。明治期に、この白河ハリストス正教会の司祭を勤めた沢辺琢磨は、坂本竜馬の従兄弟にあたり、幕末維新の重要な人物と深い関わりがある人物なのです。
 それは、大きく2つ!
 まずは、八重の夫・新島襄とのかかわり。
 元治元年(1864)、襄がアメリカに密航するのを、手助けをしたのが沢辺でした。襄がアメリカに渡り、多くのことを見聞できたのも、この沢辺の力添えあってのことだったのです。
 そして、ふたつめは、会津藩家老・西郷頼母とのかかわり。
 戊辰戦争の最中、会津を追われ、函館にたどりついた西郷頼母は、自らの子・吉十郎を沢辺に託しています。キリスト禁教、西軍、東軍の争いが続く時代の中にあっても、沢辺は自由な宗教人として知られており、頼母はそんな沢辺に自分の子を託しました。家族が自宅で自刃し唯一残された家族吉十郎を託すほど信頼していた人物であったことがわかります。
 そして歴史のつながりの面白いところが、後の明治になっておこります。
 後に函館を去った沢辺琢磨は、かつて西郷頼母が総督として戦った白河の教会に司祭としてやってきます。その後10年以上白河にとどまり、大きな功績を残しています。
 なんとも不思議な縁ですね。

 歴史は、横をたどっていくと、いろいろなところで重なりあったりして面白いですね。
 今日紹介した話は、下記の本の中でも紹介されています!ぜひご覧になってください。
 また、白河ハリストス正教会は、外観の見学は自由ですが、内部の見学は予約が必要です。予約、問い合わせは下記まで。(なお、11月2日~4日まで一般公開されます。)

<参考書籍>
・時代を駆ける 新島八重(歴史春秋社) 1260円(税込)
・西郷頼母近悳の生涯(西郷頼母研究会著) 当館特別価格300円(税込)
※いづれも当館歴史ショップで発売中

<白河ハリストス正教会>
予約・問い合わせ/0248-23-4543
その他/内部の見学は予約が必要です。また、入館料に準じた献金をお願いしています。
イベント情報/白河ハリストス正教会 文化の日 特別行事・一般公開
・一般公開:11月2日(金)~11月4日(日) 10時~15時
・11月3日(土)文化の日 特別行事(聖体礼儀、講和、正教会の聖歌)
※実施時間などの詳細は、上記へお問い合わせください。

普段なかなか見ることのできない教会内部が見学できる貴重な機会です。
普段なかなか見ることのできない教会内部が見学できる貴重な機会です。
お知らせ一覧に戻る