福島県石川町で11月1日、町内産のリンゴに含まれる放射性物質を調べる「全箱検査」が始まりました。
国は抽出によるモニタリング検査を義務づけていますが、安全性をさらに高めるため、町と地元JAが、独自に全箱検査を行うことにしました。
検査結果をホームページで公表する際、生産者のコメントなどを併せて紹介し、町産のリンゴのPRにも役立てられています。
県によると果物の全箱検査に乗り出すのは県内で初めてで、検査は町内赤羽のJAあぶくま石川果実共同選果場に設置した専用の検査機器1台で行われます。選果ラインの最終工程にあり、選果後の果実を収めた箱がベルトコンベヤーにより検査機器を通過して、一般食品の放射性物質基準値(1キロ当たり100ベクレル)未満の箱に検査済みのラベルが貼られます。
検査結果は番号で管理され、番号はラベルに記してあり、消費者が町のホームページで番号を入力すれば生産者情報を閲覧できるようになっています。
検査機器はコメ全袋検査用の機器を生産している富士電機(東京)が、ラベルを貼る装置はサトー(東京)が、それぞれ無償で貸し出しました。検査機器はコメの検査で使用されている機器の高感度型で、検出下限値は1キロ当たり25ベクレル。独立行政法人科学技術振興機構(埼玉県)の研究成果展開事業の採択を受け開発されました。
町によると、町内では毎年300トンのリンゴを生産していますが、東京電力福島第一原発事故により昨年は売り上げが3割減少したということです。検査は2年間のモデル事業として行い、来年度はナシやモモの検査も検討しており、今年は12月中旬まで続く見込みです。
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http://www.ja-abukuma.com/