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2025.09.16(火) 13:24 取材記事(教育旅行)宮崎第一中学高等学校が福島県で研修旅行(ホープツーリズム)を実施しました

沖野さんとの対話

学び舎ゆめの森の見学

前川准教授による振り返りのワークショップ

ツアー中に抱いた疑問を質問する生徒たち

[日程]令和7年8月3日〜5日(福島県内2泊)
[学校名・学年・人数]宮崎第一中学高等学校 110名
※8月4日に実施したコース別学習のうち「教育子どもコース」と、福島大学の前川直哉准教授による振り返りのワークショップを取材させていただきました。

[取材内容]
 宮崎第一中学高等学校は、今回初めて「福島ツアー」を実施し、想定を上回る110名が参加しました。初日には、東日本大震災・原子力災害伝承館の見学をはじめ、フィールドパートナーと大平山霊園や請戸小学校を回り、2日目は「復興・教育・テクノロジー」についてテーマ別研修が行われました。

 教育子どもコースは、はじめにCREVAおおくまにて大熊町を拠点に日本の子どもたちが海外の人と交流する教育事業を手がける、in the Rye 株式会社の沖野昇平代表取締役との対話を行いました。沖野さんからは、大熊町における教育の現状や、義務教育学校大熊町立学び舎ゆめの森の特色について紹介がありました。年齢や学年の枠を超えて子どもたちが共に学ぶこと、時間割に縛られない自由な授業形態、外国人との交流プログラムなど、従来の学校像とは異なる取り組みに、生徒たちは話を聞きながら熱心にメモを取り、沖野さんの問いかけに自分の意見を返していました。

 続いて訪問した学び舎ゆめの森では、南郷市平校長から学校の理念や子どもたちの様子について説明を受け、校舎を見学しました。学年ごとの教室が存在せず、校内のさまざまな場所で子どもたちが自ら学べることや、全学年が一緒に給食をとるランチルームの光景に触れた生徒たちは、「こんな学校に通ってみたい」と口々に語り、学びの多様性に驚いている様子でした。

 午後には、二本松市の岳温泉「陽日の郷 あづま館」で前川准教授による振り返りのワークショップが行われました。テーマは「福島で/福島から私たちは何を学ぶのか」。生徒たちはグループに分かれ、研修で体験したことや聞いた話、撮影した写真を共有し合いました。その内容を付箋に書き出して整理することで、自らの学びを可視化し、二日間で得た気づきを整理していきました。最後の質疑応答では、生徒から被災地の現状や課題について積極的に質問が投げかけられ、今回得た学びを外へ発信する重要性を実感する時間となりました。

[生徒のコメント①]
 「東日本大震災の被災地を訪れたのは初めてでした。初日に訪れた浪江町立請戸小学校で、当時のまま残る校舎や子どもたちの日常の写真を見て、津波の恐ろしさと日常が奪われた現実を強く感じました。復興に取り組む地域の方々の行動力にも感動しました。前川先生のワークショップでは、多くの情報を整理し、さまざまな視点に触れたことで、震災の記憶や復興の今を家族や周囲に伝えたい気持ちが一層高まりました。」
(高校2年 谷村 怜さん)

[生徒のコメント②]
 「将来に役立つ経験をしたいと思い、福島ツアーに参加しました。初日の請戸小学校で曲がった蛇口を見て津波の力の大きさに驚きました。実際に被災地を訪れることで被害の深刻さを肌で感じ、復興に取り組む方々の前向きな姿に心を打たれました。ワークショップでは新しい視点に触れ、学んだことを家族や友人にも伝えたいと思うようになりました。」
(中学3年 中野 瑛基さん)

[先生のコメント]
 「大学受験に挑む生徒たちが、勉強や人生の意義を見出すきっかけになれば」という思いから今回の福島ツアーが企画されました。ホープツーリズムでは、生徒たちが真剣に現地の声や風景に向き合い、震災を自分ごととして捉える姿が印象的でした。大熊町では、教育を通じて子どもたちが世界と関わる機会をつくり、自ら行動する沖野さんの姿に強く心を打たれました。さらに前川先生のワークショップでは、生徒たちが学びを整理し、自分の言葉で積極的に意見を発信する姿に成長を感じました。今回の経験を通じて、広い視野を持ち、問いを持ち続ける生徒に育ってほしいと願っています。」
(高校1年担任 瀬戸口 祐輝先生)



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