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登山と旅のコース案内

会津エリア1泊2日

燧ヶ岳をぐるっと一周!幻想的な霧の尾瀬を行く

カメラ:山写/ライター・モデル:吉岡智子

福島県檜枝岐村(ひのえまたむら)から入る尾瀬。以前訪れた鳩待峠(はとまちとうげ)(群馬県)からの尾瀬を頭に浮かべながら、今回のスタート地点へ向かったのだが…この旅が終わるころには「次の尾瀬も、また檜枝岐村がいい!」と思うほど、その魅力にどっぷりとハマることに。
今回のカメラマンは、山岳写真撮影を楽しむ方ならおそらくその名を聞いたことがある、山岳写真サイトの運営もしている山写さんを迎えての山行。どんな景色を切り取ってくれるのか、ワクワクしながら、いざ、福島の尾瀬へ!

1日目 燧裏林道(ひうちうらりんどう)からのコースは見どころ満載!

御池(みいけ)にレンタカーでダイレクトアクセス!

東京駅から新幹線で那須塩原駅に降り立つ。乗り込んでから1時間、ほんとうにあっという間だ。
レンタカーでいざ檜枝岐村へ!2時間半ほどの道のりには、道の駅が3ヵ所もあり、寄り道しながら集合場所へ向かった。

御池に到着し、地元福島の登山ガイド五十嵐潤さん、カメラマンの山写さんと合流。ちょっぴりカメラをかじっている自分としては、山写さんの撮影スタイルに興味津々。すごい重装備だ!自分には絶対担げないなと横目で見ながらいよいよ福島尾瀬満喫コースのはじまりはじまり~。

写真:御池登山口
スポット情報

御池登山口 みいけとざんぐち

駐車場:
有料駐車場 400台(駐車場の有料期間は5月1日~10月31日まで)
トイレ:
公衆トイレあり(御池休憩所内)
アクセス:
会津鉄道会津高原尾瀬口駅から会津バス(檜枝岐線)尾瀬沼山峠行で約110分

スタートしていきなり「尾瀬」あらわる!

スタートしてすぐ、「尾瀬」が広がった。湿原がパァっと広がり、木道が続く景色、まさに「THE 尾瀬」。それを初っ端から楽しめちゃうのが、今回歩く燧裏(ひうちうら)林道コースの良さ。
車を降りて「すぐ尾瀬」って、もう最高!

御池へ向かう途中の道の駅でゲットしたトマトも一緒に

この最初の湿原(田代という)は御池田代、このあとも田代が続く。そのうえ、人は少なく鳥が多いという魅力も、燧裏林道のいいところなんだそう。
木道を進み、平ヶ岳を望めるという上田代(うわたしろ)のベンチで早速ランチタイム。
ここでガイドの五十嵐さんから尾瀬の湿原についてお話を伺うことに。

[ 湿原の種類について ]

湿原には種類があり、湿地帯において周囲の水位の位置によって植生が変わる。

低層湿原
  • 湿地帯における周囲の水位より低い位置にある。
  • 水が溜まりやすく、川の水も流れ込むため栄養が豊富。
  • ヒツジグサや大きなミズバショウが育つ。
池塘に生息するヒツジグサ
中間湿原
  • 湿地帯における周囲の水位と同じくらいの高さにある。
  • キンコウカなどの草が生える。栄養が豊富だと、アブラガヤのような大きな植物も育つ。
尾瀬でよく見られるアブラガヤ
高層湿原
  • 湿地帯における周囲の水位より高い位置にある。
  • 基本的に水は雨からとなるため、自身で水を貯えることができる苔類(水苔など)が多くみられる。
福島県の雄国沼は高層湿原植物が群生する

上田代は中間湿原にあたるので、一面のキンコウカ。この時期は蛍光色に近いオレンジ色から根本のグリーンにかけてのグラデーションがとても美しかった。

燧裏林道の森歩き

秋の森の中は実り豊かでもある

燧裏林道コースは尾瀬らしい湿原だけではなく、静かな森も楽しめる。
ガイドの五十嵐さんから森の植物や鳥の話を伺いながらの森歩き。

たとえば、森の中で多く見られた「アスナロ(明日檜)」は「明日はヒノキになれますように」ということでその名になったらしく、急にアスナロが健気に見えてきたり、ふと甘い匂いが森の中に漂うのはオオシラビソの葉のにおいだということを知って、長年にわたりモヤモヤ気になっていたことがスッキリしたり。

(左上)オオシラビソ(中央)ハウチワカエデの赤はアントシアニン+オレンジはカロチノイド。理系男子の登山ガイド五十嵐さんならでは?の解説付き。(右下)アスナロ(左下)アブラガヤは見た目に反して触ってみるとフワフワ。まるで稲のように見えるがイネ科ではなく、カヤツリグサ科の植物。

そうして森を進むと、上から鳥のさえずりが…
「ゼニトリッ ゼントリッ」
大変!森の中まで借金取り(鳥)が!!

このさえずりの主は「メボソムシクイ」。見た目は薄いグリーンのグラデーションが美しい小鳥。
実際に「ゼニトリッ」と聞こえるかどうかは、燧裏林道を歩いて確かめてみてほしい。

(上)ガイドの五十嵐さんがいつも目印にしているという「力こぶの木」

尾瀬ヶ原の水が全部流れ落ちる!三条ノ滝

鳥が集会をしているかのようなさえずりと、遠く響き渡る鹿の鳴き声を聴きながら森を抜けると、それらをかき消すほどの水流の音とともに、大迫力の三条ノ滝がその姿を見せる。落差が三十条(約100m)であるところからその名がついたとも言われている。

その間、山写さんがここでは大きな三脚をセットして、じっくり撮影。どんな写真が撮れているのかなぁ…モニター画面を盗み見たい気持ちを抑えつつ、次の滝へ…

迫力ある流れが美しい三条ノ滝

三条ノ滝に流れ込む少し上流側にある平滑ノ滝(ひらなめのたき)約500mもある花崗岩の一枚岩が横たわる。強さを感じる三条ノ滝とは対照的に、平滑ノ滝は広くおだやか。
尾瀬にこんな大スケールの滝が2つもあるなんて、次々と変わる景色にワクワクさせられっぱなしだ。

温泉街ならぬ山小屋街!?見晴(みはらし)で一泊

徐々に薄暗くなる木道の先に現れたのは、レトロな雰囲気の建物が集まる一角。建物から漏れる灯がより一層素敵な空間を演出している。数えてみると6軒も山小屋があった。今までいろいろな山小屋を見てきたが、これだけの数が集まっているのは初めて見た。温泉街ならぬ山小屋街だ!

お世話になるのは、昭和33年に建てられた尖った切妻屋根(きりづまやね)が特長の原の小屋。
入ってすぐ、広いカウンターの受付。すぐ横には小屋のオリジナルグッズやポストカードが並ぶお土産コーナー。小屋グッズに弱い自分は即座に飛びつきたい気持ちをぐっと抑えて、まずはお風呂へ。
山小屋とはいえ、尾瀬の小屋ではお風呂に入れるところが多く、個室で泊まるスタイル(繁忙期を除く)も多い。原の小屋のお風呂は広くて、ついついのんびり…していたらあっという間にご飯の時間!!

ガラスの引き戸が素敵な食堂へ。入り口には手書きのメニュー表も。
あったかいけんちん汁にイワナの甘露煮でご飯がすすむすすむ…
翌日の天気予報とにらめっこしながら、なんとか晴れることを祈りつつ就寝。

写真:原の小屋

(右)原の小屋の支配人、萩原さん

スポット情報

原の小屋 はらのこや

予約電話番号:
090-8921-8314(現地)
03-6744-1913(東京事務所)
宿泊料金:
大人1泊2食付き 9,000円 子供 1泊2食付き 8,000円
その他:
翌日の昼食用弁当の用意あり(料金別途)
営業は5月下旬から10月中旬(要問合せ)
WEB:
原の小屋 

2日目 尾瀬ヶ原から尾瀬沼の尾瀬尽くし後半戦!

尾瀬ヶ原へから竜宮城へ

2日目、朝ご飯をたっぷりいただいてから、小雨の尾瀬ヶ原へ。
見晴を出発してすぐ、一面に広がるキンコウカのオレンジ色が、真っ白な曇天の下で際立つ。
小屋の方を振り返れば雲の上に頭を出した燧ヶ岳(ひうちがたけ)出だしから目の前の景色に圧倒される。

燧ヶ岳を背にして尾瀬ヶ原を進むと、川に沿って林が現れた。
ガイドの五十嵐さんに聞いてみると…

「拠水林(きょすいりん)」と言って、栄養分の少ない泥炭層の湿原に比べ、川沿いは土砂によって栄養が運ばれてきて、大きな木が育ちやすい環境が整っているためにできあがった林。尾瀬ヶ原のような広大な湿原ならではの植生。

広大な湿原の中で、景色に変化をもたらしてくれる存在でもあるのかも。

(上)川の流れに沿って湿原を横断する拠水林(右下)林の中の木道には美しい落ち葉。しかし、雨の日は思わぬスリップに注意が必要だ。

竜宮小屋を過ぎると、美しい色合いに紅葉したヒツジグサが浮かんだ池塘(ちとう)が、あちらこちらに見られる。
その後、小屋の名前の由来となった「竜宮現象」をついに目撃することとなる!
なにやらおとぎの世界へいざなってくれそうなネーミングだが、池塘の水が3方向から流れ込み、渦を巻いて地中に潜りる。それが伏流水となって木道の反対側へと湧き水となって出て行くという現象だとか。
確かに、水が渦を巻いて地中に吸い込まれていく様は、まるで竜宮城へでもつながっているような?
なんともファンタジー。

(上)池塘に浮かぶ紅葉したヒツジグサ(左中)渦を巻いて地中に消えていく様子(竜宮現象)(右下)竜宮渦巻ポーズ?!

森を抜けて見た霧の田代に感動

尾瀬ヶ原を満喫したあとは、尾瀬沼方面へ。
樹林帯を進み、白砂峠を越えたあと、真っ白な、霧が濃く立ち込める田代に出た。
木道は先の見えない霧の向こうへ、どこまでも続いているようにも見える。美しくも不思議な空間の中で、しばし立ち尽くす。五十嵐さんから、ここは白砂田代といって、実は小さい田代だと聞く。とても信じられない…尾瀬ヶ原と同じくらいに広いのではないかと思える。

ほどなくして、この不思議な空間の静寂を崩すかのように、霧が引いていく。あっという間に狭い田代が姿を現した。この天候の中で歩いているからこそ、見ることができた景色。同じ体験は二度とできないかもしれないと思った。

(左下)徐々に姿を現した池塘からはミツガシワの葉がひょっこり顔を出していた

幻想的な尾瀬沼と再建した沼尻休憩所

深い霧の向こうにぼんやりと小屋が見えてくる。再建された沼尻休憩所だ。
新しい休憩所は、尾瀬沼が目の前に広がる開放的なテラスがあり、売店では飲み物やお菓子、アイスなどを購入することができる。

ちょうどお昼時間だったので、屋根のあるベンチで、原の小屋で用意してもらったおにぎり弁当をほおばる。
大きなおにぎり2つに、大好きなしそ巻き付き。そして目の前には霧が立ちこめる幻想的な尾瀬沼。
これ以上ないくらいの贅沢ランチ。

沼には小さな船着き場があり、尾瀬沼を眺めていると、霧の向こうから、かつてお客さんを乗せて往来していたという船が現れてくるのではないかという感覚にとらわれる。

その後、たくさんのお客さんで賑わい始める様子を見ながら、ここに休憩所があること、再建してくださった人たちがいるということを、ありがたいなと、心から思った。

後ろ髪惹かれながら、福島尾瀬歩きクライマックス!

美しい尾瀬沼を右手に見ながら湖畔の樹林帯の中、シカフェンス(※)を通り抜けると、目の前が再び開け、大江湿原に出る。
一面の草紅葉と背後に尾瀬沼。まるで計算しつくされたような構図の景色に、木道を歩きながら何度も振り返ってしまう。

(上)木道の途中に何か発見!(下)ギリギリ残っていたエゾリンドウ

後ろには尾瀬沼。この景色の中を歩けるのは幸せ

(※)尾瀬にもニホンジカが増えており、食害、踏み荒らしが問題となっているため、設置されている。

沼山峠休憩所へ到着

ここから御池までシャトルバスで戻るのだが、バスの時間まで、休憩所で買った「花豆ジェラード」を食べながら待つことに。ふんわりと花豆の風味がやさしいジェラード。花豆は尾瀬周辺(福島、群馬)や長野のほか、北海道の特産品で、大きな粒と、模様が特徴的。様々なスイーツに姿を変えて販売されているので、お土産におすすめ。

(右中)御池行のシャトルバス(下)花豆ジェラード、美味しかったなぁ…

写真:山の駅沼山峠
スポット情報

山の駅 沼山峠 やまのえき ぬまやまとうげ

営業時間:
7:40~17:00(冬季期間は休業)

御池からのシャトルバスの終点にある休憩所で、尾瀬沼に最も近い入山口にある。有料のお手洗いと、お土産や飲み物などをそろえた売店がある。 シャトルバスの運行は例年5月中旬から10月31日まで(2018年実績)
30分~40分間隔で運行。運行時間など詳しくは会津バスwebサイトにて時期になると案内がある。
会津バスwebサイト

コースタイム

【1日目】御池 - [30分] - 上田代(うわたしろ) - [50分] - 裏燧橋 - [1時間15分] - 三条ノ滝展望台 - [1時間45分] - 見晴 原の小屋
【2日目】見晴 - [35分] - 竜宮現象地点 - [35分] - 見晴 - [1時間45分] - 白砂峠 - [35分] - 沼尻休憩所 - [1時間05分] - 分岐 - [1時間15分] - 尾瀬沼山峠

尾瀬から眺めた燧ヶ岳の登山コース紹介や観光についての情報はこちらにも掲載しております

燧ヶ岳イメージ

会津エリア

燧ヶ岳 ひうちがたけ 2,356m

難易度:
上級
歩行時間:
6時間50分
おすすめ時期:
6月~10月

檜枝岐温泉と手作りサコッシュのカフェへ

燧ヶ岳をグルっと一周した後は、温泉!檜枝岐の中心部にある「駒の湯」へ。
2日間、アップダウンが少なかったとはいえ、歩きっぱなしだった足に、少し熱めのお湯が効く。
露天風呂は川に面しており、吹き抜ける風がすっかりほてった顔に、気持ち良い。

さっぱりしたあとは、楽しみにしていたカフェ「kafejo monto(カフェ モント)」へ。
キャンプ場の受付も兼ねている、かわいらしい建物の扉を開けると、落ち着いた雰囲気の店内。正面の棚に並んだ、オリジナルの手作りサコッシュのカラフルな色が映える。豊富なサイズ展開で、止水ジッパーや防水性に優れた生地を使うなど、見た目だけではなく、機能面もバッチリ。実は今回の取材で使用していたのも、ここのサコッシュ。
産地にこだわった檜枝岐の美味しい水で淹れたコーヒーを飲みながら、どのアイテムを連れて帰ろうか、じっくり悩むのがオススメ!

スポット情報

公衆浴場 駒の湯 こうしゅうよくじょう こまのゆ

住所:
南会津郡檜枝岐村下ノ原839-1
電話:
0241-75-2655
入浴料
大人500円/子供250円
営業案内:
【5月~10月】6:00~21:00(最終受付20:30)※水曜は12:00~/【11月~4月】12:00~20:00(最終受付19:30)※内風呂のみ
WEB:
尾瀬檜枝岐温泉観光協会(駒の湯)
スポット情報

kafejo monto かふぇ もんと

住所:
南会津郡檜枝岐村見通1185
電話:
0241-75-2180
営業案内:
休みは要問合せ
WEB:
kafejo monto 

道の駅に寄り道しながら帰路へ

日も暮れ始め、一路東京へ!
道の駅に寄り道して、お土産を見たり、食べたりしながらのドライブ。
スッキリ快晴!というわけにはいかなかったけれど、霧に包まれた尾瀬は、とても不思議な空間で幻想的な風景を楽しむことができた。
でも、次回は快晴のもと、燧ヶ岳の山頂から今日歩いたルートを見下ろしてみたい!

今回の旅人

ネイチャーフォトグラファー
山写(やましゃ)さん

山岳写真専門のネイチャーフォトグラファー。
ヒマラヤのエベレストやマカルー、カンチェンジュンガ中央峰、ヨーロッパアルプスを登り山岳写真に没頭。
写真撮影をきっかけにした登山普及のため、アウトドアメーカー、行政、大学などと協力しつつ、自然の魅力を発信している。

登山と写真で仕事している人。

お立ち寄りスポット

公衆浴場 燧の湯(ひうちのゆ)

舟岐川に面し、高台にある日帰り温泉。露天風呂ではゆたかな自然と一体に。源泉は桧枝岐温泉の単純硫黄泉を単独で使用している。源泉かけ流し。

南会津郡檜枝岐村 檜枝岐村上ノ台208-1
電話:0241-75-2290
営業案内:6:00~21:00(最終受付20:30)※火曜日のみ12:00~
入浴料:大人500円/子供250円
尾瀬檜枝岐温泉観光協会(燧の湯)

写真:燧の湯

道の駅 尾瀬檜枝岐(みちのえき おぜひのえまた)

2017年に「尾瀬檜枝岐山旅案内所」が新設され、尾瀬檜枝岐の登山に関する最新の情報を知ることができる。また、檜枝岐村の歴史についての展示もあり、登山前にぜひ見ておきたい。

南会津郡檜枝岐村字見通1136番地1
電話:0241-75-2432
営業案内:施設により異なる(詳細は下記webサイト参照)
福島県道の駅ガイド

写真:道の駅尾瀬檜枝岐

山の駅 御池(やまのえき みいけ)

福島県から入る尾瀬の起点となる場所。売店では尾瀬のお土産、飲み物、菓子パンなどを販売。食堂も併設している。出発前や山行後に便利。沼山峠へのシャトルバスの発着所が目の前。

営業案内:休憩所 8:00~17:00 (休日6:30~17:00)/食堂 11:00~15:30

写真:山の駅 御池

スポットマップ

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