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2023.12.22(金) 08:55 取材記事(教育旅行)石川県立工業高等学校の機械システム科が修学旅行でホープツーリズムを体験しました

「ONE TEAM」を感じた請戸小学校の黒板

実際に大平山の小高い丘を駆け登ってみる

「まちづくりシミュレーター」(伝承館)

スイミーみたい!と盛り上がる皆さん

[日程]令和5年11月14日~11月17日(福島県内2泊)
※11月16日に実施した浪江町フィールドワーク、東日本大震災・原子力災害伝承館見学、アクアマリンふくしま見学を取材させていただきました。

[学校名・学年・人数]
石川県立工業高等学校 機械システム科 2学年 75名

[取材内容]
 石川県立工業高等学校機械システム科の皆さんは、3泊4日の修学旅行の中で東京都での研修後、本県のホープツーリズムを体験するため初めて来県しました。
 一行は、はじめに浪江町請戸地区でのフィールドワークを行いました。震災遺構の浪江町立請戸小学校では、職員から同校の歴史、地震・津波での被害の様子について説明を受け、校内を巡りました。2階教室にある震災前の請戸小学校周辺を復元した模型には大勢の生徒が集まり、学校から海までの距離の近さや震災前は学校周辺に多くの民家があったことなどに驚いた様子でした。その後大平山霊園に向かい、フィールドパートナーから震災当時の請戸小学校の児童らの避難の様子や、大平山霊園が作られた経緯を聞き、実際に児童が避難時に駆け上がった丘を登って同じ体験をしました。
 東日本大震災・原子力災害伝承館の見学では、職員に気になったことを積極的に質問したり、理想のまちをつくる「まちづくりシミュレーター」を使って意見を交したりする姿もみられました。
 昼食後はいわき市のアクアマリンふくしまを訪れ、「サンゴ礁の海」や三角形のトンネルの「潮目の大水槽」では海の生き物たちとの写真撮影を楽しんでいました。

[生徒のコメント①]
「これまで福島県に来たことがなかったので、来る前は震災で被害を受けて、原発事故でまだ帰れない人がいて、今も震災の爪跡が残る場所だと感じていました。
実際に来てみると、大平山霊園の高台から見た街の景色の寂しさや虚しさなど、いろいろ感じることができました。自分が所属するラグビー部では、『ONE TEAM』という言葉があるんですけど、請戸小学校の黒板にも、みんなで頑張ろうとか、たくさんの応援のメッセージがあってすごく印象に残りました。福島県や他の県も震災を通して、みんなで復興に向けて頑張ろうという気持ちがかなり伝わりました。
アクアマリン見学では大きなアジアアロワナが悠々と泳ぐところが印象に残りました。あとは、カワウソが見られて良かったです。」
(2年 米村 雄太さん)

[生徒のコメント②]
「請戸小学校が一番印象に残っています。テレビで見たことはあるんですけど、実際に被害に遭ったままの状態を見ることはできなかったので、それを生で見たことが衝撃的でした。特に壊れた体育館に卒業証書授与式の看板が立っているところは、生々しさを感じました。石川県に帰ったら、今日体験したことを伝えたいです。被害の状況を普段見ることができないし、体験するっていうことも、滅多にあることじゃないと思うんで。次に福島県に来たら被害に遭われた方のお話を聞くことも、一つかなと思いました。
石川県にも「のとじま水族館」があって、そこには行ったことがあるんですが、アクアマリンはガラス張りをイメージした水槽とかが結構あって、写真映えするような所が多く、写真をたくさん撮りました。」
(2年 絹谷 佑月さん)

[先生のコメント]
「震災、原発の事故等で大きな被害を受けた福島県。東日本大震災からかなり年数は経っていて生徒たちも、12年前は4歳、5歳です。でも、まだ復興が完全に進んでない。工事をしているとか、残土を積んだトラックが走っているとか、そういったものを実際に見られたことが生徒たちにとっても印象に残ったと思っています。請戸小学校では津波の被害がそのままに残っていました。普段は明るい生徒たちが、実際のものを目にすることで、いつもとはちょっと違う表情をしていて、『自分事』として何かを捉えたような印象を受けました。今の高校生は、いろいろな情報をすぐ手に入れることができますが、実際に触れたり、目にしたり、話を聞いたりという本物の体験が、今後成長していく上で非常に大事だと思っています。特に、本校は工業高校の機械システム科のため、ものづくり等で実際のものに手で触れたり、目で見たりということを大事にしていますから、今回ホープツーリズムで実際に体験をできてよかったと思っています。また、石川県も非常に災害の多い県です。『自分事』として捉えてもらい、災害が起こったときにはどのように対処するべきなのかを考えてほしい。生徒たちが地域の企業や、さまざまな企業に就職し、今後災害が起こったときにはリーダーシップを発揮し、今日の経験を活かすことができればいいなと感じております。」
(石川県立工業高等学校 政谷 和俊先生)

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