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2024.02.20(火) 16:00 取材記事(教育旅行)熊本県立芦北高等学校の2年生が修学旅行でホープツーリズムを実施しました

双葉駅周辺のフィールドワーク

請戸小学校の見学

請戸小学校から大平山の位置を確認

道の駅なみえで思い出づくり

[日程]令和6年1月17日
※1月17日に実施した東日本大震災・原子力災害伝承館見学、双葉町・浪江町フィールドワークを取材させていただきました。
(フィールドパートナー1班:小泉良空さん、2班:青山隆宏さん)

[学校名・学年・人数]
熊本県立芦北高等学校  2学年 62名

[取材内容]
 熊本県立芦北高等学校2学年62名の皆さんが、昨年度に引き続き修学旅行でホープツーリズムを実施しました。
 東日本大震災・原子力災害伝承館の見学後、バス2台に分かれて、双葉町・浪江町のフィールドワークに出発しました。双葉駅前で下車した皆さんは、フィールドパートナーから、昨年8月に双葉町周辺の特定復興再生拠点区域の避難指示が解除され、福島県内で唯一全町避難が続いていた町で住民が暮らせるようになったことや、役場が新たに整備されていることなど、現在までの状況について説明を受けました。
 校舎が津波の襲来を受けた震災遺構の浪江町立請戸小学校では、校内に設置されている絵本「請戸小学校物語大平山をこえて」の展示を読みながら校内を巡りました。学校の裏から児童全員が無事避難した大平山の位置が確認できる場所にある踏み台に登り、大平山までの距離を想像する生徒の姿も見られました。
 その後、大平山霊園や棚塩産業団地を訪れ、フィールドワークが終了。昼食後は道の駅なみえに立ち寄り、お土産を購入したり、ふくしま応援ポケモン「ラッキー」がモチーフのラッキー公園で記念撮影をしたりするなど福島での思い出を作っていました。
 修学旅行後には、ホープツーリズムの“ホープ”がいかなるものであるのかという視点から振り返りを行い、気付きや思い、疑問等を共有しました。

[生徒のコメント①]
 「震災があったということは知っていたのですが、どの程度復興しているのかは詳しく知らなかったので、いざ来てみたらまだ震災被害の跡があって、大変な被害だったのだなというのが印象的でした。見学で心に残ったことは2つあり、1つ目は原発事故の被害で、半径10キロや20キロの区域まで避難指示が出たということにすごく驚きました。2つ目は請戸小学校の津波被害を見て、津波の恐ろしさというものを実感しました。福島に来る前は、被災したからまだ復興が進んでいないのかなという印象でしたが、復興しているところがたくさんあって、そこに驚きを感じました。」
(2年 元村 叶夢さん)

[生徒のコメント②]
 「東日本大震災があったのは幼稚園の年長で、あまり記憶がないのですが、今も痕跡が残っていることに驚きました。請戸小学校を見学して、海から少し離れた場所でも被害が出て、それでも生徒全員が無事に避難できたというのが、一番すごいと思いました。福島県に来る前は、あまり被災地の情景というのが分からなかったのですが、今回見学をさせていただき、少しずつ復興しているのが分かりとても感動しました。それぞれの場所で、フィールドパートナーが私たちが詳しく知らないことを、分かりやすく説明してくれてよかったです。」
(2年 濱崎 琴梨さん)

[先生のコメント]
 「昨年も本校では福島、東京方面に来ているのですが、校長先生をはじめ、引率の先生や生徒からも非常によかったという声が強く、ぜひ今年も行くべきという学校の強い押しがあり、今回も継続して来ました。
 生徒たちには“ホープ”の理念を今回の旅行を通じて考えてほしいです。私は担当教科が公民ですが、どちらかというと戦後日本が歩んできた経済中心な在り方、高度経済成長は“ホープ”であったと思うんです。それが本当に人を支える“ホープ”になり得るか、それだけでいいのか、というのは考えなければいけないと思います。また、地元の芦北町でも少子化の影響が大きく、これからは町の存続などもかかってくる課題です。そういったときに本当に希望があるというのはどういう状態なのか。
 恐らく生徒たちは、福島県が完全に復興したという印象はないと思います。今回その復興の途中の姿を見ることによって、自分たちがこれから生きていく中で、どういう姿が幸せなのか、お金があればいいのか、産業があればいいのか、本当に人のつながりだけがあればいいのか、というものを考えてほしいです。
 実は前の学校でも、福島に修学旅行で来たことがありますし、個人的にも訪れたことがあります。福島に来るたびに、復興にはまだ時間がかかるなという印象です。その中で最後に福島県の皆さんは、どういう希望の姿を世界に見せてくれるのだろうという期待を持っています。」
(熊本県立芦北高等学校 2学年主任 石本 浩司先生)

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