• 第1回 菅生雅文 ( ツーリングマガジン 『 OutRider 』 編集長 )
  • 第2回 鈴村典久さん ( バイク誌『東本昌平RIDE』シリーズ編集長 )
  • 第3回 渡辺昌彦 ( 月刊バイク誌『Mr. Bike BG』編集長 )
  • 第4回 佐々木 節 ( 『大人のバイク旅』シリーズ編集長 )
  • 第5回 吉田宣光 ( 株式会社 八重洲出版 二輪事業部 統括副部長 )
  • 第6回 中村淳一さん ( バイク雑誌「BikeJIN」編集長 )
  • 第7回 五十嵐重明 ( 月刊誌『モーターサイクリスト』編集長 )

鈴村典久さん ( バイク誌『東本昌平RIDE』シリーズ編集長 )

 震災以降、ありがたいことに「RIDE」読者の皆様から「復興関係で何かやるのであれば、なんでも手伝います!」というメールやお便りをたくさんいただいています。誌面でのチャリティー活動も、読者の皆様のご理解とご協力のおかげで、さまざまな方面でさせていただいております。

 また、震災が起きてすぐ、被災地に物資を届けたり、災害ボランティアに向かったRIDE読者さんたちが大勢いました。

・出来る限りの物資を集めた人
・炊き出しに行った人
・自らも被災しているのに福島へ向かった人
・被災した子どもたちのためにプレゼントを送った人
・募金活動でとにかくお金を送った人
・チャリティーグッズを作った人
・幾日もガレキを撤去し続けた人
・自衛隊員として任務に当たった人

 その行動力や気持ちに心より敬意を表したいと思います。

 だけれども、ここで私は…あくまでも私個人の話をしたいと思います。それは、チャリティー・ボランティア活動や復興に関して、「バイク乗りとして…云々」ではなく、「人として、できることをする」であるべきではないか、と。

 その媒体がたまたまバイクという乗り物であったり、バイク誌だった、というだけの話なのです。

 私自身、福島県にはたくさんの恩があります。公私でツーリングに行き、何度も地元の皆様の暖かいおもてなしを受け、素晴らしい光景、景色、風景に心と身体に栄養補給をさせていただきました。
 ですが、その恩返し、という気持ちで何かしたい訳ではありません。

 これは、誌面には一切書いていないことなのですが、私自身何度かボランティアにも参加しています。

 「そのことを誌面に書いて、もっとアピールするべきではないか?」  …一理、あります。だけれども、私は「やる人はやる。行く人は行く」というスタンスで考えています。  祖母から「陰徳を積め」と教えられてきました。だから、誌面に於いて「私も行っているから、みんなもボランティアへ行こう!」といった形では紹介していません。「行く人は、行く」と思っているからです。

 震災で人生が変わった人は、たくさんいます。  私のまわりにも、たくさんいます。

・今なお被災地で戦い続けている人
・原発再稼働反対デモで声が枯れても叫んでいる人
・原発復旧作業に出稼ぎに行く人
・移住した人
・仕事がなくなった人
・週末ごとに被災地へ向かう人
・もう「終わったこと」にしている人

 …終わってなんかいない。むしろ、始まりさえしていないことだって山ほど、ある。

 さて、震災直後は「物見遊山のボランティアはやめろ」みたいな風潮があったけれども、今となっては物見遊山で行くのも良いと考えています。

 ここから先は、「バイク乗り」としての感想。
 バイク乗りは五感で味わわないと納得しない生き物。 机上の空論を振り回すのは、もう終わりだ。 ピュッと走って、現実を見て来て欲しい。 そこで考えていただきたい。

 「私たちは、何ができるのか?」 ということと
 「私は、何ができるのか?」 ということを。

 答えが出たら、あとは動くのみ。
 答えが出なくとも、動くのみ。

 目的地だけを決めて、あとは走るのみ。
 行く人は、行くんです。

(2012年7月現在)

  • 第1回 菅生雅文 ( ツーリングマガジン 『 OutRider 』 編集長 )

  • 第2回 鈴村典久さん ( バイク誌『東本昌平RIDE』シリーズ編集長 )
  • 第3回 渡辺昌彦 ( 月刊バイク誌『Mr. Bike BG』編集長 )
  • 第4回 佐々木 節 ( 『大人のバイク旅』シリーズ編集長 )
  • 第5回 吉田宣光 ( 株式会社 八重洲出版 二輪事業部 統括副部長 )
  • 第6回 中村淳一さん ( バイク雑誌「BikeJIN」編集長 )
  • 第7回 五十嵐重明 ( 月刊誌『モーターサイクリスト』編集長 )

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