会津地域は、東北地方の中で最も早く仏教文化が花開き、民衆に浸透したと言われるエリア。柳津町にある福満虚空藏菩薩 圓藏寺は、そんな会津地域を代表する名刹のひとつです。空海作の虚空蔵菩薩を祀るため807年に名僧・徳一が開いた圓藏寺を中心に、柳津は門前町として栄えていきました。今でも圓藏寺周辺をそぞろ歩けば、歴史情緒溢れる街並みに出会うことができます。

実はこの柳津町は、会津地方の民芸品として全国的に人気の張り子人形「赤べこ」の伝説発祥の地でもあります。「べこ」とは東北地方の方言で「牛」のこと。昔々、大地震で倒壊した圓藏寺を再建する際にどこからともなく赤い牛の大群が現れ、材木運びを手伝ってくれたという伝説が残っており、この牛たちに感謝の気持ちを込めて作ったのが、赤べこだとされています。柳津町を訪れると、看板やプランター、帽子やTシャツなど、さまざまなものにデザインされた赤べこが目に留まり、その愛されぶりがうかがえます。