東北本線白河駅のホームに立つと、駅の北側にそびえる白河小峰城が目に飛び込んできます。

14世紀に築城された白河小峰城は、17世紀に入城した初代白河藩主・丹羽長重が約4年の歳月をかけて大改修を行い、石垣が見事な名城に生まれ変わりました。

実質的な天守だった三重櫓は戊辰戦争時に焼失しましたが、1991年に木造で復元。平成の城郭建造物の木造復元ブームのさきがけとして、城好きが一目置く存在となっています。

それまで、鉄筋コンクリートなどを用いた現代の建築技術で復元される天守や櫓が多かった中で、木造で建てられた小峰城の三重櫓。実はこの木造での復元が実現したのは、発掘調査の成果に加え、第12代白河藩主・松平定信が1808年に作らせた「白河城御櫓絵図」が伝えられたためです。御櫓絵図には、門や櫓の大きさ、使用している木材の種類などが詳しく描かれています。1994年の前御門や、2024年の完成を目指して進行中の清水門の復元も、この絵図に基づいています。