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2019.06.24(月) 08:54 取材記事(教育旅行)神戸市立平野中学校が農業体験と飯舘中学校と学校交流を行いました

ぶどうの枝の剪定を初体験

自分で食べるピザの具材をトッピング

輪になって一緒に貼り絵作り

平野中からお礼に『群青』を披露

[日程]
全体日程 令和元年5月26日から5月28日(2泊3日)

[学校名・学年・人数]
神戸市立平野中学校 3学年 169名

[来県市町村]
三春町、二本松市、飯舘村

[本県を訪れた目的]
 神戸市立平野中学校では、1学年から東日本大震災と福島について事前学習を行っており、本県を実際に訪れ、現状を見ることを目的に修学旅行で来県した。さらに、農業体験と学校交流で、本県で暮らす人達とも交流を深めた。

[取材内容]取材日:令和元年5月27日(月)

【農業体験】
 神戸市立平野中学校の皆さんは、二本松市にある「ゆうきの里東和ふるさとづくり協議会」の協力で、班ごとに分かれて農業体験を行いました。受入農家の方から野菜の手入れや収穫方法を教えてもらいながら、震災後の風評や復興に向けた取り組みも聞くことで、福島が抱える問題を共有しました。
 取材当日は季節外れの真夏日となりましたが、生徒の皆さんは汗をかきながら一生懸命農作業に取り組んでいました。

【学校交流】
 続いて訪れた飯舘中学校では、1~3学年28名の生徒の皆さんと交流しました。お互いのふるさと・学校紹介をはじめ、平野中から「震災で学んだことは?」「飯舘村の自慢できるところを教えて」などの質問に「人と人は協力しないと生きていけないことを学んだ」「飯舘村は自然が多くて、人がやさしいところ」と飯舘中の生徒が答える形で、双方の理解を深める時間が設けられました。さらに、全員で一枚の絵を作る貼り絵も行い、仲良く言葉を交わしながら作業をする姿が印象的でした。
 最後に、平野中の皆さんが、震災後福島で生まれた合唱曲『群青』を発表しました。この歌は南相馬市の中学校教師が作った曲で、子ども達が震災で離れ離れになった仲間を思う気持ちを綴った歌詞が多くの共感を呼び、県内外で歌われています。昨年から練習に励んできた平野中の皆さんは、とても美しい合唱を披露してくれました。

[生徒のコメント①]
 「農家の本多さんの家で、トマトの茎が倒れないよう支柱を立てたり、生みたての卵を取る手伝いをさせていただいた。昼食には、卵かけごはんをごちそうになり、新鮮でおいしかった。飯舘中学校の皆さんとの貼り絵づくりは、短い時間だったけれど楽しかった。できなかった部分は、神戸に帰って完成させる予定なので、きれいに仕上げたい。今まで東日本大震災について勉強してきたが、福島へ来て神戸では学べないこと、福島の皆さんの大変さを知ることができた。神戸に帰っても忘れないで、普段の生活を大切にしたいと思った。」
(3学年 都郷 結羽さん)

[生徒のコメント②]
 「初めてぶどうの木の剪定作業をしたが、農家の方に教えてもらいながらよい経験ができた。どの枝を切っていいか迷って難しかったけれど、少しでも役に立てたらうれしい。飯舘中学校との交流は前からとても楽しみにしていたので、貼り絵を一緒に作っているとき、いろいろと話ができてよかった。福島の食べ物というだけで、見る目が変わって食べない人もいるということを知って悲しいことだと思った。これからは、福島で学んだ正しい情報を伝えていきたい。」
(3学年 田中 悠太さん)

[先生のコメント]
 「神戸と福島はともに被災地。とはいえ、生徒達は阪神・淡路大震災を経験していないし、東日本大震災時のことも記憶が少しある程度。今回、生徒達が神戸と福島の架け橋になれたらという思いがあり、1学年の時から東日本大震災について少しずつ学んできた。福島での実りある経験が、例えば困っている人を見たときに、助けたいという行動へ移す勇気になれば、これから彼らが生きていく上でヒントになればいいなと思っている。」
(神戸市立平野中学校 小堀 祐基先生)

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