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2023.03.15(水) 09:00 取材記事(教育旅行)福岡県の敬愛高等学校が修学旅行で初めて来県。ホープツーリズムを実施しました

進行はフィールドパートナーが務めました

全員の前で積極的に質問

班ごとにさまざまなテーマが出ました

意見を交わし合った「グループワーク」

[日程]令和5年2月27日~3月3日(福島県内1泊)
    ※2月28日に実施したワークショップを取材させていただきました

[学校名・学年・人数]
敬愛高等学校 2学年 120名

[取材内容]
 敬愛高校は、4泊5日の修学旅行の中で1泊2日を本県のホープツーリズムを体験するため初めて来県しました。生徒の皆さんは、双葉町と浪江町のフィールドワーク後、2021年10月にオープンした大熊町の交流施設「Iinkる大熊(リンクルおおくま)」で、「富岡町3.11を語る会」と富岡町の震災の現状について対話を行い、最後にホープツーリズムの学びを振り返るワークショップを実施しました。
 ワークショップでは、同校のフィールドパートナーを務めた「ふたばプロジェクト」の小泉良空さんと「まちづくりなみえ」の佐藤成美さんの進行のもと、1日を振り返ることからスタート。自分の気づき、疑問、違和感等をノートに書き出し、その後、グループ内で発表を行いました。
 途中の質疑応答の時間には、生徒の皆さんから「双葉町にはスーパーやコンビニなどがないが、食料品などの買い物はどうしているのか」「全国で原発反対のデモなどが行われているが、福島の方たちはどう感じているのか」など率直な質問が続きました。小泉さんからは、浪江町にはスーパーや銀行、飲食店がそろっており、ほとんどの住民の方が双葉町から車で通っていること。また、ひとつの問題にはさまざまな側面があるように、原発についてもそれぞれ関わり方や受け止め方が異なり、福島の人たちの中でも多くの思いや考えがある現状が伝えられました。
 その後、班ごとに「これから考え続けたいテーマ」を一つ決めて、テーマの選定理由と今後どのように向き合っていきたいかを考えました。それぞれ福島で感じたことや意見を出し合い、協力しながらまとめている皆さんの姿が印象的でした。
 最後の各クラス1グループの発表では、どのグループも今後起こりうる災害への備えが重要であることや、福島の課題を自分事として、自分の地域にしっかりと置き換えて考えていました。

[生徒のコメント①]
「請戸小学校では、教室の天井や壁がボロボロにはがれていたり、頑丈に取り付けられているはずの蛍光灯の配線がむき出しとなって垂れ下がっている様子を見て、津波の威力が直に伝わってくる貴重な体験だった。ワークショップでは、請戸小学校では事前に避難場所を確認していたおかげで全員が無事だったことから、“災害が起こる前の準備”をテーマに話し合った。自分たちが住む地域のハザードマップを事前に確認することや、防災マップを作るなど、意識して準備をしていきたい。福島は大変な震災があって、マイナスなことが多いはずなのに、今回お会いした皆さんのとても明るく、イキイキとしていている姿がとても印象に残った」
(前田 恵太さん)

[生徒のコメント②]
「福島へ来る前に、日本へ留学しているトルコ人の友人から東日本大震災について質問され、うまく答えることができなかった。今回の修学旅行では“正しく災害を理解して人に説明ができるようになること”を自分の課題として取り組んできた。実際に福島へ来て、見て、たくさんの方から話を聞いて、災害を理解したつもりになっていただけで、自分が思っていたことと別の視点があることも分かった。そして災害について人に正しく説明することはとても難しいが、説明ができるからこそ、自分自身を守る“自助”、地域の方など周囲と協力して助け合う“共助”につなげていけるのではないかと思った。これからは、災害について自分の言葉で伝えられる力をつけていきたい」
(尾池 瑞紀さん)

[先生のコメント]
「学びの要素を大切にした修学旅行を計画しました。福島を訪問する前に事前にオンラインで東日本大震災・原子力災害の基礎知識(福島県の概要、被害状況、復旧状況等)の学習をして理解を深めてきましたが、実際に来て、生徒たちがバスの中からも写真を撮ったり、地元の方の話を真剣に聞いている様子を見て、現地を訪れることの大切さを改めて感じました。震災当時、生徒たちは小学校へ入学する前だったことから、福島の現状について想像すること自体、とても難しかったと思いますが、振り返りのワークショップでは、進んで質問する生徒がいたり、グループ内の話し合いでも自分の意見をしっかり伝えている姿が多く見られました。今回、ホープツーリズムを実施したことで、震災についてより深く考える貴重な経験ができました」
(教頭 谷川 宏済先生)




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