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2024.02.27(火) 14:20 取材記事(教育旅行)宇都宮市立河内中学校の2年生がスキー教室と立志式のため来県しました

スキー教室

立志式で河上副校長先生がメッセージを代読

青木先生との対話(オンライン)

赤べこ絵付けで決意表明

[日程]令和6年1月26日~1月27日
※1月26日に実施したスキー教室と立志式での震災講話、赤べこ絵付け体験を取材させていただきました。

[学校名・学年・人数]
宇都宮市立河内中学校 2学年 113名 

[取材内容]
 宇都宮市立河内中学校2学年の皆さんは、スキー教室と立志式のため1泊2日で猪苗代町を訪れました。生徒たちは箕輪スキー場の一面の雪景色に大喜びし、雪合戦や雪だるま作りをはじめました。その後のスキー教室では、初心者、中級者、上級者の3グループに分かれ、インストラクターから講習を受けました。スキー板を履いての歩き方から学び、後半はリフトに乗ってコース中腹から滑走ができるまで上達していました。
 夜は宿舎にて立志式を行い、河上博行副校長先生が福田富一栃木県知事からのメッセージを代読し、その後、ホープツーリズムの「復興に向け果敢にチャレンジする人々」との対話と赤べこの絵付け体験を行いました。この日は雪の影響で、富岡町3.11を語る会(元県立高等学校長)の青木淑子代表とzoomを繋ぎリモートでの対話となりました。
 青木代表は、「12年前に起きた原子力災害について、語られないと分からないことがたくさんある」と前置きし、スクリーン上に「校庭に転がったままの野球ボール」や「富岡町から避難する車の列」など1枚ずつ写真を映すと、その写真にまつわるエピソードを語りかけました。対話後には生徒代表が「福島で起きた複合災害からの教訓や防災意識について、これからの生活や学びの中でいかしていきたいと思います」と決意を述べ、青木代表に宇都宮市の郷土玩具「黄ぶな」のぬいぐるみが贈呈されました。対話後行われた赤べこ絵付けでは、赤べこの胴体に立志式を終えた後の決意表明を書き、「邁進」「大成」「翔」などそれぞれの思いを込めました。

[生徒のコメント①]
 「スキーをテレビで見てると、スーッと滑ったり、簡単に曲がったりしているんですけど、実際滑ってみると難しくてたくさん転びました。友達に助けてもらいながら立ち上がって、最後はみんなで滑ることができたので、とてもいい経験になりました。明日は転ばずに滑れるように頑張りたいと思います。
 私は震災に関しての記憶がほとんどないのですが、祖父母がいわき市に住んでいて、お盆とかに帰ることがあります。そのときに海沿いを走ったり、堤防の高さを見たり、木がたくさん植えられているのを見て、祖父と津波の高さとか怖さについて話したことがあります。でも今回の講話を聞いて、駅のホームが柱だけになったとか、家が流されてまったく跡形もなくなってしまったということには、言葉が出なかったです。
 今回の立志式を通して自分の将来についてちゃんと考えたいと思いました。絵付けで赤べこに書く文字も、『雲外蒼天』という熟語を選びました。雲の外には青い空が広がっている。なので青い空が見られるように困難があっても努力して頑張っていこうという思いが強くなりました。」
(2年 佐藤 奏太さん)

[生徒のコメント②]
 「会津に着いた時点で吹雪いていたので心が折れそうになりました。宇都宮では雪が降ったらそれだけでも、教室中のみんなが騒ぐような感じです。スキーレッスンでリフトに何回か乗ったのですが、インストラクターの方がストックを使いながら、ボーゲンをやっていて、コースをスイスイ滑っていたので、明日は挑戦してみたいなと思います。
 私は震災当時1歳で神奈川県に住んでいました。母親と電車で出かけていたらしいのですが、父親と翌日まで連絡が取れなかったことを母親から毎年聞いています。震源からは離れていて大丈夫でしたが、そういう怖さとかは毎年伝えられています。今回実際に話を聞いてみて、東日本大震災は津波のイメージが強かったのですが、原発事故で建物とかは全然崩れてないし、目には見えないのに、心の傷は本当に深いと思いました。自分が思ってるよりも意外にも身近なことで、覚悟はしていましたが、実際に聞くだけでもつらかったです。被災された方は、本当に早く報われてほしいと思います。
 今年の4月からは受験生で、初めて自分で進路を決めるという大きな年です。気持ちが揺れてしまったり、自分自身が追い込まれて、家族に八つ当たりをしてしまうこともあるかもしれませんが、挑戦する気持ちも大事だと思いますし、心身共に穏やかに健康でいられたらいいなと思います。」
(2年 鈴木 日和さん)

[先生のコメント]
 「担当教科が社会科なので、1年生のときからずっと地理の学習のときに、世界の各国や日本の県、市町村など、自分が興味関心のある中から一つ選んで、そこの課題と具体策について、レポートを書かせて、話合いをさせてきました。紛争などの国際問題、地震などの自然災害、少子高齢化等、日本や世界でおきていることにも目を向けてほしい、できれば生の声を聞かせたいという想いがあり、今回立志式で震災講話をお願いしました。青木先生はお話がとても上手でした。震災について理路整然と事実を伝えてくださったし、震災から今に至るまでの心の動きも手に取るように伝わってきて本当に心に染みました。
 生徒たちには、それぞれ生きている状況は違うけれど、それを飛び越えて、自分の環境が全てではないこと、内向きではなく外向きに目を向けてほしい。学年目標にも掲げていますが、多様性ということを私自身もすごく大切にしていて、多様な視点でいろいろな人がいることを学んでほしいと思います。自分以外はみんな他者ですが、自分と違った他者に対して、どれだけ相手の状況を理解して尊重するか。他者と生きていくときに、同調ではなく、自分も生かし、相手も生かすベストな道をチョイスして、その都度生きていけるようになってほしいなと思っています。」
(宇都宮市立河内中学校 学年主任 阿久津 弥生先生)

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