KNOWLEDGE 発酵の基本

ビール

発芽した大麦である麦芽を糖化後、ホップを加えて煮だした麦汁をビール酵母でアルコール発酵させてつくるのがビールです。炭酸の清涼感とホップの苦みが特徴です。ビールにはさまざまな健康機能改善効果も期待できます。ビール酵母はビタミンや食物繊維、アミノ酸が豊富で、ビール酵母を錠剤化した薬剤も販売されています。また「ビール酵母細胞壁による免疫力の増加効果」、「ホップの認知機能低下の予防効果」などの報告があります。

ワイン

ワインは、ブドウ果汁に含まれる糖分を、酵母によってアルコール発酵させることによってつくられるものです。発酵のもととなる酵母は、ワイン酵母として馴養(じゅんよう)された酵母を使うのが一般的ですが、ブドウの果皮に付着した酵母により自然に発酵させた「自然派ワイン」をつくっているワイナリーもあります。酵母が糖分を食べ、アルコールに変わる過程で果汁の糖度が下がり、アルコール度数が上がります。アルコール発酵が進むにつれて、ワインは辛口になります。

監修

発酵学者 
東京農業大学名誉教授

小泉 武夫 さん

1943年、 福島県の酒造家に生まれる。 農学博士。専門は食文化論、 発酵学、醸造学。現在、 鹿児島大学、 福島大学 、 宮城県立大学ほかの客員教授、 発酵食品ソムリエ講座 「発酵の学校」校長を務める。 NPO法人発酵文化推進機構理事長や全国発酵のまちづくりネットワーク協議会会長など、食に関わる様々な活動を行う。著書は単著で150冊を超え、日本経済新聞掲載の 「食あれば楽あり」は30年に渡り連載中。日本醸造協会伊藤保平賞、日本醸造学会功績賞、福島県知事賞(県外在住功労者) など多数受賞。